プロローグ
まず、大前提として日本は資本主義社会なので、認められるには仕事で結果を出すことが求められる。
実力がない者が何を言っても無駄だからだ。
そして、結果同様に最も大事なことがある。
仕事がデキる男は言われなくても分かっている。
①スピード
仕事が出来る人は、とにかく仕事が速い。
依頼された仕事を期日よりも早く仕上げることが相手の印象に残り、信頼の獲得に繋がることを分かっている。
依頼者は、だいたい余裕を持ったスケジュールで依頼をかけてくるので、仮に一週間と言われた場合、きちんとやれば5日程度で仕上がるだろうという内容の仕事となる。
そのため、一週間の期日を5日で仕上げたとしても依頼者は特に驚かない。
3日~4日程度で、「早いですね!」と喜ばれる程度だ。
そこを1日、2日程度で仕上げたら、まずは驚かれる。
次に不審がられる。
なぜか?
あまりに早いと、「手抜きしているのではないか?」と思われるからだ。
それがミスなく、早く仕上がっていれば非常に喜ばれて信用される。
そして、何度も続いていくと「信用」からあなたへの「信頼」に変わる。
何事も速さは全てを解決する。
早く仕上げたという結果を残すからだ。
②正確性
いくら早く仕上げたとしても、内容に不備があったり、仕上げが雑であったり、納品が期待以下の成果では話にならない。
仕事の成果は、正確であることが大事だということを出来る男は分かっている。
正確であるということは、隅々まで気を配る意識が必要だ。
どれだけ一つひとつの仕事に対して丁寧にやれるかにプロ意識の差が現れる。
仕事・プライベートに関わらず、事あるごとに「まぁ、いっか。」を思う人は正確さに欠けやすい。
個人の行き過ぎたこだわりは害悪だが、妥協なき姿勢で仕事に臨みたい。
参考までに、どれだけ仕事を丁寧に正確にやるかの一つの判断指標として、掃除をさせてみるとよい。
雑に、適当にやる人は論外。
見えているところだけをやる人もあまり期待できない。
物をどかして隠れたところまで掃除をする人で、丁寧ではない仕事をする人を私は知らない。
③時間
仕事の出来る人は時間の大切さを分かっている。
ここで言う時間とは、先述の①スピードにも少し関係するが、仕事の技量の話ではなく、相手のことを考えられているかどうか?の話になる。
時間だけは唯一、平等に与えられている。
今、現在も刻一刻と過ぎていっている。
時間は有限であり、また人の命そのものなのだ。
それが分からない人は必要以上に他人の時間を奪う。
仕事は、タイム・イズ・マネーだ。
その時間はお金を生んでいるのか?
地位の高い人は高給を得ている。
その人を時給換算すると、その時間は給与以上のお金を生み出しているのか、それとも無駄にしているのか。
唯一、時間の無駄遣いをしても幸せな気分になれるのはプライベートな時間だけ。
仕事中においては、セールスはお金を生むこと、バックオフィスは価値を生むことに専念しなければならない。
④客観性
仕事の出来る人は、常に一歩引いた立場、目線で物事を見ている。
つまり客観性があり、俯瞰して自分や他人、物事を見ることが出来る。
ダメなのは「自分が、自分が」の主観的な人だ。
誰もが自分が正しいと思っている。
だからこそ、客観的でなければならない。
主観的な人は、自分の主張を通そうとする。
自分にとって素晴らしいことでも、相手にとってはとんでもないこともある。
逆も然りだ。
意見がない人より、主義主張を持っている人の方がまだ魅力的だが、それはあくまで個人プレーの話。
チームとして、組織として何が最適なのかを客観的に見なければならない。
客観的な判断基準は、個人の好き嫌いではなく、最適か不適かの違いであり、正しいか正しくないかではなく、きちんとしているかみっともないかの違いだ。
例えば、飲食店でウェイターがミスをする。
ミスをしたウェイターが悪いのだが、そこを感情的になって注意する客がいたとする。
正しいのは客の方だが、周りから見れば、みっともないのは客の方だ。
客観的に物事が判断できる人は、感情的になって騒いだりしない。
騒いで注意している客は自分は正しいと思っているだけだろう。
周りも不愉快だし、そんなことに③時間を使われる方も災難だ。
自分を客観的に見る判断指標の一つとして、今、会社からもらっている給料以上で雇ってくれる会社がある場合、会社に対して貢献していると言える。
同じ給料で雇ってくれるところがあれば、もう少し頑張ったほうがいい。
もらっている金額以下でないと雇ってもらえないのなら、会社に貢献していないと思って、たくさん頑張ったほうがいい。
⑤冷静さ
どれだけ④客観的でいられるかは、どれだけ⑤冷静でいられるかだ。
「怒らない経営」という書籍の著者である大藪崇エイトワン社長は元々の性格が温厚だったようだが、その他大勢の一般的な人は、何か嫌なことされたり、不愉快なことが起こると負の感情が沸き起こる。
アンガーマネジメントの是非はともかく、前述の「怒らない経営」で大藪崇社長は、「起こること全て自己責任」としているため、何か嫌なことがあっても怒ることはないという。
中々、ここまで人間が出来ている人は多くないと思うが、怒ってもあまり良いことはないので、冷静でいることのメリットを取った方が絶対に良い。
ちなみに怒る方も怒られる方もお互い良い気分にはならないが、愛情の反対は憎しみではなく、無関心という。
怒られているうちが華だ。
怒らない人=優しい人ではなく、怒らない人=他人に期待も興味もない人である場合が多い。怒らない人との付き合い方は難しい。怒る人は怒るというステップを踏んで反省の機会を与えてくれるが、怒らない人は反省の機会すら与えてくれない。知らないうちに諦められてる。知らないうちに君の元を去る。
怒らない人=優しい人ではなく、怒らない人=他人に期待も興味もない人である場合が多い。怒らない人との付き合い方は難しい。怒る人は怒るというステップを踏んで反省の機会を与えてくれるが、怒らない人は反省の機会すら与えてくれない。知らないうちに諦められてる。知らないうちに君の元を去る。
— Testosterone (@badassceo) 2018年6月7日
⑥先を読む力
仕事が出来る人は先を読む力がある。
言い換えると想像力がある。
先見の明とも言うし、危険察知能力とも言う。
自分がこれからする行動や言動が後にどのような影響を及ぼすか、しっかりと先読みをしたうえで実行できているかということだ。
④客観性なく、⑤冷静さを欠き、後先考えずに自分の感情のままに動く人は失敗する。
結局、振り返るといつも同じような問題に悩み、苦しむ。
命がけの仕事をするスタントマンは、限りなく100%に近い安全さを確保したうえで、高い遂行能力で実行するから成功確率が高いが、素人が同じことをやっても死ぬだけだ。
このように明らかに分かるようなことは誰もが先を読んで危険を避けるが、日常や仕事においては後先考えずに、その場の感情や主観で行動して失敗するケースが後を絶たない。
プロ棋士は相手の何手も先を読んで指す。
プロ棋士とビジネスマンに違いがあるだろうか。
いや、同じプロだ。
思考を研ぎ澄まして行動すべきである。
⑦政治力
仕事の出来る人は政治力の重要さを身にしみて分かっている。
どんなに実力があろうとも(実力がある人は政治力もあるのだが)、出世するために最も重要な要素の一つでもある政治力をないがしろにしていないか。
プロフェッショナルは、個人の好き嫌いではなく、必要かそうでないかを基準に仕事をするが、そんなプロフェッショナルはまれである。
ほとんどが個人の感情に影響されるだろう。
そのため、仕事の出来る人は力の優劣を瞬時に判断し、相手を気に入ろうが気に入るまいが目的のために自分を抑えることが出来る。
そう、コミュニケーション能力が高いのだ。
影響力のある人に嫌われたら一貫の終わりだ。
一寸先は闇である。
⑥先を読む力を駆使して、油断して落とし穴に落ちないようにしたい。
⑧期待値
期待値、つまり今後の伸びしろのことだ。
末席の取締役が、常務、専務、副社長を飛び越して社長就任という話を聞いたことがあるだろう。
何を期待されているかというと、伸びしろに他ならない。
総合的判断で、うまく会社を伸ばしてくれるだろうという期待値が高かったのだ。
期待値は時間がある分、若いほうが有利だ。
たくさん経験を積んで、失敗しても時間があるのでリカバリー出来る。
では、期待値が他人より低い場合はどうするべきか。
自分の強みは何かを知ったうえで、勝てる場所で誰よりも努力して結果を出す。
これしかない。
とはいえ、会社が求めていないスキルで誰よりも抜きん出ていても評価はされないので、そこは④客観的判断が出来る必要がある。
⑨メンタル
ちょっとやそっとのことで、気持ちがグラグラしているようでは仕事が出来るとは言えない。
仕事において大事なのはプロ意識である。
モチベーションが上がらないなどと甘えたことを言ってはいけない。
前日に嫌なことがあったとして、それを引きずって仕事しても良い成果は上がらず、周りにも悪影響を及ぼし、結果、負のスパイラルになる。
弱さを見せず、誰にも頼らず、自分の力で問題を解決してみよう。
苦しいけど、その先にきっと成長がある。
メンタルタフネスであるべきだ。
⑩信用と信頼
①スピードもある、②正確性があり、丁寧だ、相手の③時間を大切にして無駄な時間を使わせない、④客観的に自分のことが見られて、常に⑤冷静である。
仕事をうまくいかせるためにどういう手を打つか、⑥先を読む力もあり、コミュニケーションを武器に⑦政治力も持っている、そして⑧期待値も高く、少々のことでは自分を見失わない⑨メンタルも持ち合わせている。
しかし、出世するために絶対に必要なのが上からの「信頼」だ。
読んで字のごとく、「信じて、頼られる」
そして信頼される前に信用されなければならない。
「信じて、用いられる」
言動・行動を大きなことから、小さなことまで、一つひとつ信用を積み上げて、やっと信頼に変わる。
積み上げるのは時間がかかるが、失うのは一瞬だ。
そして、失ったものを取り戻すのは、とても大変なこと。
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今回の10選はとても大変な内容かもしれません。
でも、出来たら間違いなくその他大勢より抜きん出るはずです。
自分は何を目的に仕事しているのか、もっと言えば何を人生の目的にしているのか。
それを考えるきっかけになれば幸いです。