筋肉をつけるにはタンパク質が必要。このことはよくしられているので、筋肉をつけたいなら意識的にタンパク質を摂取している方は多いかと思います。
しかし、一体筋肉を大きくするのにどれだけのタンパク質を摂るべきか、その量まで考えて摂取している方は少ないのではないでしょうか。
今回は筋肉を大きくするには一体どれくらいのタンパク質が必要なのか、また筋肉を大きくするために必要なタンパク質の種類や摂取するタイミングについて紹介していきます。
理想的なタンパク質摂取量
筋トレ後のタンパク質摂取量については、国際スポーツ栄養学会という機関が様々な実験を基に推奨される摂取量を公表しています。
その推奨量はトレーニングをしている人としていない人とで分かれます。
まずトレーニングをしていない人ですが、1日に体重1kgあたり0.8gのタンパク質を摂取することが推奨されています。体重60kgの人なら48gとなります。
トレーニングをしていなくても、人の体は古くなったものは新しいものへと入れ替わっていきます。体を構成するのはタンパク質なので、何もしていなくても1日にこれだけのタンパク質が必要となります。
さて、次にトレーニングをしている人ですが、トレーニングをしていると筋肉を大きくするためにトレーニングをしていない人よりも多くの筋肉が必要となり、1日に体重1kgあたり1.4〜2.0kgという量が推奨されています。体重60kgの人なら84〜120gという量です。
理想的なタンパク質摂取量は意外と多かった?!
トレーニングをする人なら大体100g程度のタンパク質を摂取することが推奨されています。とはいえタンパク質100gと言ってもあまりピンとこないのではないでしょうか。これだけのタンパク質を摂るには一体何をどれだけ食べる必要があるのでしょうか。
まずトレーニング後に多くの方が飲んでいるであろうプロテインですが、プロテインは1食あたり15gのタンパク質を含んでいます。これを200mLの牛乳で溶かした場合、1食でタンパク質を約30g摂取することになります。
タンパク質の豊富なプロテインと牛乳という組み合わせで、推奨されている量の1/3にしか届かないというのは、少し意外ではなかったでしょうか。
タンパク質と言えばやはり肉。肉には一体どれだけのタンパク質が含まれているかというと、赤身の多いステーキ肉で100gあたり20g、豚バラ肉100gあたり14g、鳥もも肉100gあたりで25gとなります。
肉のみからタンパク質を100g摂取しようとすると最も多くタンパク質を含んでいる鳥もも肉でも400gも食べないと摂取できないという量になります。
タンパク質100gと聞くと少ないと感じる方もいるかもしれませんが、実はしっかり意識して食べないとなかなか摂取することができない量なのです。
質の高いタンパク質をタイミングよく摂ろう!
筋肉をつけるには1日に体重1kgあたり1.4〜2.0gのタンパク質を摂取することが推奨されています。タンパク質は量も重要ですが、質や食べるタイミングも重要となります。
タンパク質の質を評価する指標として、アミノ酸スコアというものがあります。タンパク質は20種類のアミノ酸という最小単位となる物質がたくさん結合したもので、体内で吸収される際にはタンパク質はアミノ酸に分解され、体内で再びタンパク質へと変換されます。
アミノ酸の中には体内で合成できるものもありますが、体内では合成できず、食物から補う必要があるものもあります。そのようなアミノ酸を必須アミノ酸と呼びます。アミノ酸スコアはこの必須アミノ酸がバランス良く含まれているかを100点満点で表したものです。
タンパク質を摂取する際はこのアミノ酸スコアに気をつけましょう。肉や魚、牛乳、卵といった動物性の食品は、アミノ酸スコアはほぼ100に近い数字となっています。
また、食べるタイミングにも注意が必要です。運動後がタンパク質補給のゴールデンタイムだということはよく言われていますが、かと言ってトレーニング後に大量にタンパク質を摂取するのはよくありません。
タンパク質は1度に処理できる量が限られており、一度に30〜40g以上摂取しても筋合成の促進は頭打ちとなってしまいます。なので、トレーニング後は多くてもタンパク質は30〜40g程の摂取で留めておきましょう。
タンパク質を補給するタイミングとしては、トレーニング後は重要ですが、朝起きた時や就寝前も重要となります。タンパク質は3、4時間おきにこまめに補給するのが理想的とされています。
ロイシンの量にも着目!
タンパク質を構成するアミノ酸の一つにロイシンがあります。20種類あるアミノ酸の中でロイシンは特に筋肉の合成に重要な働きをすることが知られています。そのため、ロイシンを多く含むタンパク質を摂取することも意識しましょう。ロイシンは肉類や牛乳に多く含まれています。
ロイシンはBCAAというサプリメントにも含まれています。BCAAは分岐鎖アミノ酸の略で、ロイシンの他にバリン、イソロイシンというアミノ酸も含まれています。サプリメントも合わせて使いたいという方はBCAAのサプリメントも考えてみてください。
まとめ
今回は筋肉を大きくするにはどれだけタンパク質を摂取すべきかを紹介してきました。
トレーニングを行っていて筋肉を大きくしたい場合、タンパク質は1日に体重1kgあたり1.4〜2.0g摂取することが、国際スポーツ栄養学会により推奨されています。
タンパク質の量も重要ですが、質も大切です。アミノ酸スコアの高いタンパク質を意識して摂取するようにしましょう。
どれだけのタンパク質が必要かを意識して、筋肉を大きくしていきましょう。